北欧住宅視察

ドイツ・スイスのエコ住宅視察

【ドイツ・スイス編】

 今回の視察は、6月23日〜30日の6泊7日の旅です。昨年のデンマーク・スエーデン視察に続きエコライフ研究所の企画による参加者7名(4社)とエコライフ研究所2名(中野代表、戸塚氏)による長寿命住宅・エコ建材・ゼロエネルギー住宅などの勉強、インテリアやドイツの住宅展示場の見学による住宅事情などの情報収集です。一般の観光は、残念ながら最終日に予定(ユングフラウヨッホ)されています。

今回の参加メンバー
ドイツ・エコ建材店前
エコライフ研究所中野氏(中央)と上野(私と妻)

ドイツ・エコショップ
ドイツ・エコショップ、ジンビオ前で記念撮影。
(株)清新ハウス中村氏(左)、ジンビオスタッフ(3名)セバスチャン(通訳)
グルーラムハウス宮沢氏、(株)リホームプラザ(3名)、
エコライフ研究所中野氏、戸塚氏(撮影者)、木の城工房(2名)
6月24日、エコ建材ショップ見学
 今日は、ドイツの大学生・セバスチャン(21歳・日本語学科、10月より一橋大学の留学予定)の案内でエコ建材店・ジンビオへ向かう。アウトバーンでチュ−ビンゲンという街まで3時間。無料のハイウエイは快適なドライブ。思ったよりずっと暑い、日本より高緯度のはずであるが30℃以上ありそう。
 エコショップ・ジンビオは、思っていたより静かな場所にあった。15年ぐらい前からエコショップを初め徐々にお店を拡大させているようだ。塗料、壁紙、床材、断熱材などを扱っているが製造メーカーの説明だけでなく成分分析などのデーターを確認し自社ショップの基準をクリアーするものだけを取り扱っているようだ。
 私がエコハウスを奨める上で一番迷っているのが断熱材であるが日本でもウールや木の繊維をボード状にしたもの古紙を壁のなかに吹き込むものなどがあるが、万が一の雨漏りの場合に吸水性に不安なもの、断熱性が低く厚みがかなり厚くなってしまうもの価格が高すぎるなどの問題と環境にやさしい自然素材であることのバランスをどうするかが問題である。後日のモデルハウスで確認したが、断熱を外断熱と充填断熱さらには、内断熱と組み合わせるなどかなり高性能にしている。(最近は、ツーバイフオーやツーバイシックス工法が多いようであるがヨーロッパ伝統テインバーフレーム工法も健在のようだ。)
エコ建材店
ジンビオ店内・内外自然塗料(アウロ社のものが多い)
ドイツ・エコ建材
ジンビオ店内・無垢フローリング類
 ドイツでも壁紙の張替え、塗装などは一般に自分で行う人が多いようだ。メンテナンを小まめに行い長持ちするよう家を守っているようだ。日本の住宅は短命住宅と言われが、阪神大震災以降の住宅は、ヨーロッパに比べても耐震性は、まったく問題ないし基礎などは、日本のほうがずっとしっかりしているように思う。(工事中の住宅の基礎を見て)何が違うかと言えば、日本の家は新建材を使っている家が異常に多いと言うこと、個人が家のメンテナンスをして家を長持ちさせると言う意識が希薄なこと(メンテナンス出来ない素材を使ってしまっている)などだろうか。
 日本人は、新しいものに価値を感じているようだ。(安物でも新しければうれしい。)ヨーロッパの人達は、歴史や物を大切にしている。そして、物を大切にすることがトータルコストをさげることを理解しているのだと思う。日本にも物を大切にすることが70年代までは、当たり前と意識していたはずである。大量消費が経済を押し上げ日本が物質的に豊かにしてくれたことは否定しないが、これからは心が豊かにならなくてはいけない時代だと感じた。(移動中の車内での会話より)
 日本でも売る側の理屈で家づくりするのでなく住まいての為の家づくりに考え方を戻すべきであると思う。(家が売れなくなるから大手ほどそんなことは、言いません。)

チュービンゲンの街並。200年以上前の建物も多い。

古民家を手入れして使い続けている。
6月25日 DIYショップ(ホームセンター)・住宅展示場見学
 レンタカーとタクシーにて移動。(エコライフ戸塚氏運転)

ドイツのDIYショップ外観

写真では人影が少ないが内部は、賑っている。
 スエーデンのDIYショップと同じように住宅やガーデニングに関するあらゆるものが売られている。(日本でもジョイフル本田のようにその傾向が出ている。)日本よりはるかに安いものも多い。余談であるが買い物をすると消費税のように税金が内税で取られているようである。物によって違うらしいが、2.6%、7%、7.6%、16%などとレシートに表示されていました。(ドイツ・スイスにて)
 店内は驚くほど広い。一般のご夫婦や女性もけっこう資材や道具類を買って帰っていた。サッシュは、トリプルガラスでなくペアガラスが多いようだ。(木製がほとんど、樹脂製サッシュも一部展示してあるが種類・サイズは、限られている。)新建材も(合板フロアーなど)売られているが圧倒的に無垢材が多かった。残念ながら店内は、撮影できなかった。

 ドイツの住宅展示場視察。(土)
 AM11:00より総合住宅展示場の視察。日本と違い有料の展示場です。(スェーデンも有料。)約500円ぐらい?だったと思う。午前中は、人が少なかったが午後からはけっこう家族ずれが多い。中にはレストランも有り食事やお酒もいただけます。ドイツは思ったより暑かった。視察チームの中にも午後は暑さでレストランから出ない人もいたようだ。
 ヨーロッパ全体で3箇所の総合展示場があるそうですが、日本の多さには改めて驚くしだい。人口当たりの着工件数が倍以上あるとしても異常な多さ。出展費用が住宅価格に反映されるのだから高くなるのも当たり前か。


二階は、小屋裏利用での総二階タイプが多い。

最近は、開口部を広めにとる住宅も多い。

日本の住宅のデザインを取り入れたと思われる外観。
内部も開放的な空間で昔の日本家屋の様。

この展示場内でも引き違いサッシュを使ったものが何棟かあった。
    
 この総合展示場は、70棟ほど展示されているそうです。ここ1・2年の間に30棟ぐらいは、建て替えされたようだ。(中野氏)北欧では、半地下に倉庫を作ることが伝統的に多いようですが、総合展示場内にも5棟ほど地下利用住宅があった。(窓から明かりは採れる。)地下室に入ると驚くほど涼しい。地下部分はコンクリート造で、地熱利用の効果を体感できた。ドイツでは、エアコンで冷房する習慣はほとんどないらしい。暖房は、温水パネルヒーターでの全館暖房・24時間換気がほとんど。冬期の日照時間が短い為か夏の冷房は考えずに開口部の外側にオーニング、ルーバーシャッターが付いている。夏は日照時間が長いが(10時ごろまで明るい。)太陽高度がそれほど高くないので、窓から室内に入る熱量が大きい為か日本より夏の日射遮蔽は当たり前に行われている。

かやぶき屋根の家。ドイツの田舎にはかやぶきの家もあるようだ。

小屋裏利用の住宅が多い。内装は、ルナファーザーに塗装仕上げや、板張りになっている。開口部を大きくサンルームとして使うタイプの住宅も多い。

半地下地熱利用住宅

サンルームのある家
        

木・アルミの複合サッシ。

木製サッシ+外部ロールブラインド

壁構造模型。上が外部、塗り壁発泡スチロール50_・合板・グラスウール約125ミリ・合板・木毛板50_・PB外断熱+充填断熱+内断熱という高断熱使用。

外部塗り壁・コルク50_・合板・セルロース・合板・セルロース・PB断熱性能確保の為にかなりの費用をかけている。
 ドイツでは、ホテルでもエアコンが付いていなかったため寝苦しく1、2時間ぐらいしか眠れない夜が続いた。(地球温暖化の影響か、34度まであがる予報がでていました。)

ドイツでの宿泊先ホテル。窓に電動シャッターがついている。
ドレーキップ窓タイプが多い。

ドイツの古い住宅。お花で飾られている。
ドイツの街並み・風景
      

ドイツの街並み保存。
到着後すぐに目に付いた改修工事現場。
古い外壁だけを残し新しいく建物を作るようだ。
鉄骨で補強してあるが地震のない国なので大丈夫なのだろうが、
日本ではむずかしい

夜9:00ごろ、まだ空は明るい。
6・25なのに30℃を超える暑さだ。
人々は、街に出てビールを飲み語り合う。
噴水の周りにも沢山の人が集っていた。

ドイツ・フランクフルト中央駅近くで撮影。
街のいたるところで路面電車や二両編成バスなどが走る。
歩行者はあまり信号を守っていないようだ。
道路サイドには駐車スペースがとってあり違法駐車は少ない。
車の運転も日本よりおとなしく感じた。

チュービンゲンの街並み。
200年は経っていそうな古い建物が並ぶ。
道は石畳で風情がある。

家と家がくっついている。
カラフルな街並みが美しい。

フランクフルト中央駅内。
キップは買うが改札は無い。
スイス編
 6月26日フランクフルト空港からスイス・チューリッヒへ飛行機で移動。
 空港にはスイスを案内してくれる日本のスイス大使館内にあるスイス対外経済庁、在日上席代表 アンドレ ツィメルマン氏とスイス在住日本人女性(建築雑誌出版社勤務・既婚)ユカさん(ユカ ローバー)が出迎えしてくれました。チューリッヒ空港でレンタカーを借り分乗してホテルにチェックイン後チューリッヒ郊外へ移動し昼食。古い建物を改装した家庭料理のお店で昼食。ツナサラダを(ボリュームあります。)注文。ドイツももちろんそうですが水は有料で炭酸の入ったミネラルウォーターが出てきます。(日本人の好みでない)アンドレさんお奨めのジュースを注文。

昼食のツナサラダ。
おいしかったです。

アンドレさんお奨めのリベラ。
スイスでないとなかなか飲めないそうです。
さっぱりとした味
1818年に建てられたレストラン。当時のステンドグラスがそのまま使われています。店内は何度か改装しているそうですが使われている家具などもとうじのものもあるようだ             

ステンドグラスが残っている。

店内とオーナー

使われ続ける家具
スイスに残る木造の橋(屋根付)。歩道部分は後から付け加えられたようである。
1815年に造られた現役の橋。歩道を付け足したのが1955年。歩道部分にはアーチ状の集成材が使われていた。      

橋からの風景。

三階建ての建物

相当古い建物を使い続けている。

1500年代の教会とお墓
スイスにも古い町並みが多く残されている。ドイツでもそうであったが建物周りもとても綺麗にしている。案内のユカ女史もスイス人の家庭が家の中も綺麗に保っていることに驚いたと言っていました。
昔の蔵を改装し店舗や事務所などに改装した建物を見学。
この日は日曜日であったが特別に見せてくれたようだ。スイスでは日曜日はまず働かないそうである。キリスト教のため教会に行く習慣があることや家族との時間を大切にする為に街の中の商店もほとんど閉まっている。観光地の商店が一部開いている程度。住宅に限らず古い建物を根気よく修理、改装して使っているのに感心させられる。改装費が高くついても街並みや景観を重視し、結果町全体の価値が出て資産としての価値が個々の建物にでるために結果安くなると言うことらしい。日本では、街並みが綺麗な住宅街などほとんど見当たらない。今となっては遅いかもしれないが50年、100年経っても味わいのある住宅を作って行きたいと感じる。新しいものがいいものという時代は過ぎたと思う。環境の為にも資源や文化を大切にしていきたい。

元々は蔵として使っていた建物。現在は貸しビル。
小屋裏を含めると5階建ての建物(エレベーターあり)

1Fの店舗。無垢の構造材が表わしで利用。
火災報知器など、法をクリアーしている。

店舗の無垢柱。

5階小屋裏からの風景。古い瓦屋根が続く。

瓦屋根。平板に近い形状。

5階小屋裏、会議室としてつかっている。
左がユカ女史、右が宮沢哲也取締役部長。

広場が必ずまちの中にあり憩いの場所となっている
スイスの現代住宅視察。
スイスの公務員28歳が建てた建物(建築家が設計)を見せていただいた。スイスでは土地が高く持ち家率は、20パーセント程度だそうだ。ユカ夫婦は共働きで家賃16万ぐらいのアパート(かなり広いらしい)に住んでいるが持ち家は無理と話していた。かなりの高級とりなのか家の値段は5200万ぐらいとの説明された(土地は別)。東から見ると3階建てだが西側から見ると2階建。1階が半地下になっている。スイスでは傾斜地に建つ住宅が多くこの形状のつくりが結構多い。平地でも地下室を作る場合が多い。地下に入るととても涼しい。東側には大きく窓もとってあり換気や結露も問題ないようである。建築家の設計らしく白を基調にしたシンプルな設計である。一年以上生活しているらしいが部屋がすっきりしている。日本の建材メーカーもヨーロッパのデザインを取り入れているようである。

東側より見たところ。
1階は、寝室と子供部屋。
2階がリビング、キッチン、3階が書斎。
半地下で地熱を利用して冷暖房費を削減する。
1階はすごく涼しい。
玄関が西側2階にある。

東側のバルコニー、上部庇がくり抜いてあり冬は日差しを取り入れる。
夏はオーニングで、日射遮蔽をする。
ドイツ・スイスで住宅を見学したが玄関ドアは、内開きである。招き入れると言うことで外開きにしないようである。この家の玄関ドアの前には、小さな側溝が設けてあり水の浸入を押さえていた。もちろんすべて土足のままの生活です。

斜面に立つ住宅。地上に出ている倍ぐらい地下に隠れているらしい。

がけに建つお城。

スイス・チューリッヒで宿泊したホテル。

馬注意?川辺の小道で

家庭菜園。
各自の作業小屋がある。
早朝から作業する人もいた。
この隣は空港です。
チューリッヒ空港近くのホテルで一泊したが唯一エアコンがついていた。内装が変わっているホテルでした。
ゼロエネルギー住宅視察
スイス2日目はゼロエネルギー木造高層住宅(チューリッヒ市の集合住宅「サニーウッド」の視察。木造プレハブ構造で6戸の住宅が入る暖房熱を自給するゼロエネルギー・ハウス。超高断熱と太陽光温水器(真空管温水器)と太陽光発電、南面の大面積開口からの太陽光を取り入れパッシブソーラーエネルギーを利用する。(夏場の日射遮蔽は、温度センサー付で開閉するシェードで行う。)

ゼロエネルギー住宅「サニーウッド」ベランダ手すりが真空管温水器

スイスの建築家ベアット・ケンプフエンと私(上野)
スイスのミネルギー住宅の指針値・床面積1u当たりの消費エネルギーを15kw/年をクリアーしている(一般住宅の10パーセント)。断熱材は岩綿厚33cm〜40pを使用。吸気は地下埋設30mのクールチューブで外気プラス10度℃とするなどさまざまな仕組みが取り入れられている。詳しい資料が欲しい方はこちらへ連絡ください。

南面日射遮蔽(シェードとロールブラインド)

ケンプフェンと通訳の滝川薫(スイス在住)

外壁に木の横格子を取り付け夏季の外壁に直射日光をさえぎる。

左が妻、由美子・右がユカ女史

左が、案内役アンドレ氏
 スイスでは「スイスソーラー大賞」というコンクールがあり省エネを競う賞があるそうだ。
 1990年以前に建てられた建物の平均的な年間灯油消費量は床面積1u当たり20?ミネルギー基準(スイスの省エネ建築証明)が4?。ソーラー大賞の建物の平均は0.5リットルと驚異的な数値だそうだ。人が快適に過ごす上でエネルギーを消費することは避けられないがここまで省エネ意識が進んでいるとは驚いた。少ないとはいえ、消費したエネルギーを太陽光発電によって電力を作り建物全体でのゼロエネルギーを達成している。
 日本でコマーシャルで言っている光熱費ゼロとは混同して欲しくない。光熱費ゼロは、エネルギー消費量がゼロになるのではない。夜間の余剰電力を5分の1ぐらいの価格にさげている為に電気代が安くなるのであって消費電力が少ないわけではないのです。それでもかかってしまう電気代をゼロにするために太陽光発電で売電して光熱費ゼロになるのです。太陽光発電がエコに貢献しないと言っているわけではありません。エコの観点から見るのであれば消費エネルギー量の削減量で比較して欲しいと思う。ゼロエネルギー住宅がコスト的に得なのかという論議ではなく環境のためと快適な生活を送る為、社会貢献として認知される為に省エネ活動が広がっていくのだろう。日本でももっと、省エネ意識が広がってほしいものです。

スイスでの番外編。

 

FIFAの本部も見学しました。静かでした。

スイスの風景。

登山鉄道の始発地点インターラーケンウエストのホテル。
宿泊者の7割ぐらいが日本人でした。

ホテル2階からの眺め。
ユングフラウを望む(標高4158メートル)

標高3454メートル ユングフラウヨッホからの展望
登山鉄道でこの高さまでいけます。
今回は残念ながら登っていません。
今度来るときはかならず・・・

氷河が美しい。
温暖かで氷河が後退しているそうだ。

街のいたるところで見る風景、そとでの飲食が多い。

登山鉄道車窓から
今回のドイツ・スイス視察は以上で終了です。ヨーロッパの人達はゆったりとした時間の過ごし方を楽しんでいるように見えました。

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